贈答の様々な場面で人気の高いタオルですが、そのようなプレゼントとして贈られる場合、
贈る名目や受け取る相手との関係性によって異なる意味が付与されるため、その点に注意が必要です。
例えば病気や怪我などの快気祝いには、「嫌なことは水に流す」という思いを込めて、
「洗う」ことに関する品物であり且つ「使うことによって無くなる」
ものでもある洗剤や入浴用品がよく選ばれます。
快気祝いではまたタオルも好まれますが、
これは入浴剤やシャンプー・リンス、ボディソープなどと同じような入浴用品としての扱いであり、
使うことによって劣化し新しいものと取り替えられることから「使うことで無くなる」ものとしての側面もあるため、
この「嫌なことは水に流してしまいましょう」という思いに合うからです。
相手との関係性の面で注意したい点は、一般に目上の人への贈り物としては適さないということです。
バッグ類や時計、その他肌に直接身に付けるものは「より勤勉であって下さい」という意味があるため、
目上の人への贈り物としては礼を失します。
タオルも「肌に直接身に付けるもの」に該当し得ますし、
また「汗(労働の象徴ともされます)を拭く」ものでもあるため、
まさに「より勤勉であって下さい」というメッセージになってしまうので、
災害見舞いなど緊急時以外は避けましょう。
出産祝いや一般的なお見舞いの場合は、
そうした象徴性よりも実際に生活の中で必要だからという意味があります。
ただこの場合も、先述したように目上の人への贈り物としては失礼に当たるため、
産婦さんや患者さんが自分よりも目上である場合は適切とは言えません。