バンダナに使われている柄の名前はペイズリーといって、スコットランドの南西に位置するペイズリー市で、この模様が入った織物が18世紀から19世紀かけて大量に生産されたことから名付けられました。ミドリムシあるいは勾玉のような独特な形はイチジクなどの果実ややしの葉などの植物をモチーフにして描かれた模様で、元々はインドとパキスタンのあるカシミール地方で使われていました。初期のペイズリーは単純な形でしたが、その後さまざまな樹木や草花が使われて複雑化して、現在のようなスタイルになりました。ペイズリーは16世紀頃から織物に使用されてきたのですが、その模様をみればどの時代に作られた物かわかると言われています。
インドがイギリス領になった時にペイズリーが伝えられるとこの柄の織物が流行し、天然の原料で染められていた織物は、大量生産ができるように化学染料が増えてきました。
バンダナの発祥は16世紀のメキシコという説があり、当時多くの農夫たちが着ていた襟のないシャツの首周りを保護する役割で利用されていました。その後、西部開拓時代のアメリカで利用が盛んになり、現代でもよく見られるインディゴや赤い生地を用いたペイズリー柄のバンダナが製造されていました。この時代の物はヴィンテージと呼ばれ、デッドストックや希少な模様を集めるコレクターも多くいます。ロゴ入りや現代的なモチーフを採用した物もありますが、古くから伝わるペイズリーは廃れることなく長きにわたって愛用されています。